クリスマス以降はほぼ毎日玄関の中でご飯を食べては帰っていく日々が続いていました。そして、厳しい冬もようやく終わり春の兆しが見えた頃、その事件は起きました。その日はいつものように会社から帰り、これまたいつものように妻とリビングでくつろいでいました。そろそろ彼がやってくる時間かななどと話していました。するとどこからか彼の泣き声が聞こえて来ました。でも、いつもの玄関とは反対の方向からでした。慌ててベランダ側の窓をあけてみるとそこには何と彼がいました。我が家は2階なので外から侵入するのは不可能だと思っていましたが、ご飯が欲しい彼にとってはそんな事は何て事でもなかったみたいです。いつの間にか我が家の位置関係を正確に把握していたようです。侵入経路は以下の通りです。2階まで外階段で上り、エントランスの屋根にのぼり、そこから2m位をジャンプするとそこは我が家のベランダでした。これで我が家のベランダまでは自由に出入りできる事となりました。これ以降、毎日彼がベランダの手すりから「ドン」と降りてくる音でやってきた事がわかるようになったのでした。これ以降玄関の前で大声を出される心配はなくなりました。