年代別COVID-19危険度

このサイトでは公開データからの都道府県別の感染危険度を公開してきました。
COVID-19もパンデミックから3年が経過しウィルスも変異を繰り返しながら感染力は増大し、オミクロン株への変異に伴い重症化しにくくなっていると報道されます。そこで、感染危険度だけでなく、感染後の危険性についても公開する必要があると考え、致死率=死亡者/感染者のデータを追加することとしました。

使用した公開データ


厚生労働省による「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報」
https://covid19.mhlw.go.jp
週次での年代別感染者数、死亡者数が公開されている。

総務省統計局による「人口推計の結果の概要」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.html
年代別の人口情報が公開されています。

結果の検証に使用したエビデンス
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001027743.pdf
新型コロナの重症化率・致死率とその解釈に関する留意点について(第111回新型コロナウィルス感染症対策アドバイザリーボード事務局提出資料4
石川県、茨城県、広島県に限定した重症化率、致死率の解析結果が公表されている。

年代別の感染率

 デルタ株とオミクロン株では特性が大きく異なるので置き換わり時期でわけてみました。
東京都のデータによると、オミクロン株の比率がデルタ株を上回ったのは2022年1月となります。そこで2022年2月1日を区切りとしてそれ以前をデルタ株、それ以降をオミクロン株と大別し下図に整理しました。


デルタ株までは20歳代が最も感染者が多い山型を示しています。それに対してオミクロン株では年齢が低い程感染率が高く、70代が最も低くなっています。80代以降の感染率が高くなる谷型を示しています。このようにデルタ株以前とオミクロン株では大きな違いがある事が公開されたデータからも明らかになりました。80代以降の感染率が上昇するのは介護施設や病院などで集団生活する機会が増えたことによるかと推測します。
感染率をみると、10代以下ではデルタとオミクロンを合わせた感染率が40%近くとなり高く、年齢とともに低下し70才代では10%を下回っています。最近子供から感染したという話をよく耳にします。データからも明らかになりました。

年代別死亡者数

それではコロナに感染してしまった場合どの位命の危険があるのでしようか?
厚生省のデータでは死亡者数が公開されています。
ではその死亡者の定義はどうなっているのか調べてみたものの、記載されているのは「感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、亡くなった方の数を示している」とのこと。実際には都道府県による定義もまちまちであり、明らかに他の疾患が原因の事例を除いている都道府県もあるなど明確な定義はないようです。

そこで、ここでは致死率=過去3週間の死者数平均/過去5週から3週間の感染者数平均と仮に定義してまとめてみました。死者数と感染者数の範囲を変化させたのは感染してから重症化し死亡に至るには平均すると2週間程度差異が生じていると考えたからです。

この図をみるとデルタ株とオミクロン株では致死率のオーダーが1桁(10倍)違う事がわかります。
年代別では若年層程致死率が低くなっています。この結果を新型コロナウィルスアドバイザリーボードに提出された資料*と比較してみるとほぼ一致していることがわかり、ある程度信ぴょう性が得られそうなことがわかりました。また、参考までに季節性インフルエンザの致死率が上記アドバイザリーボード資料で公開されていましたので追記しました。なお、条件が色々異なるので直接比較はできないとの注釈がありました。

*石川県、茨城県、広島県に限定した重症化率、致死率の解析結果より

致死率の時系列推移

データは週次で公開されているので時系列でまとめると下図のようになります。
この数値には単純なウィルス特性に加えて、ワクチン接種状況、医療体制、統計方法の変更などが複合的に影響していると推定されます。今後、本サイトで状況を継続的に観察していくこととします。